残虐な独裁国家をなぜ潰してはいけないのか?・2
- 2019/08/14
- 18:39
ようするに先進国が独裁打倒を決意するためには、それなりの資金回収の方法があり、なおかつ、その独裁国家の中に、次の体制を作る勢力がおり、そいつらが多少はまともな統治ができそうだ、という判断がなくてはなりません。独裁者もそれはよく分かっています。だからこそ「次の体制」を担えるような勢力など、絶対に存在を許さず粛清しまくるのです。今の独裁に代わるものがない状態にしておくことが、独裁者の安全保障につながる...
残虐な独裁国家をなぜ潰してはいけないのか?・1
- 2019/08/14
- 18:31
あるところに、とても残虐な独裁国家があるとします。独裁者のみが肥え太り、国民は飢餓の縁にいます。収容所では非人道的な拷問と虐殺が行われています。逃げ出してきた人たちが国際社会に救援を訴えます。しかし米国をはじめとする先進国は何もしません。・・・これはなぜなのか?同じ人間が残虐に殺されているのに、何もしない。先進国は冷たいのか?他国の民などに関心がないのか?自分たちさえ豊かで便利に暮らせたらそれで良...
フセインはこうして排除された(5)
- 2017/05/02
- 20:25
●バグダード陥落・フセイン拘束2003年4月9日、米軍はついにバグダードを陥落させます。それまでイラク国民は、フセインの指示に従って、口先では勇ましく「徹底抗戦だ」などと叫んでいました。しかし米軍の姿を見るなり態度を変え、米軍が中央広場のフセイン像を引き倒した時は、拍手喝采を送ったのですから呆れたものですね。後の証言では、フセインは11日までバクダードに潜伏し、脱出直前に部下たちに、米軍に対する地下闘争を...
フセインはこうして排除された(4)
- 2017/05/02
- 20:25
●国連での根回しに時間が費やされた米英は国連で、これまでの査察は不十分であり、イラクの態度が改まらないとして、戦争をも辞さないという新決議を提案します。しかしフランスなどは査察を継続すべきと主張しました。イラクのフセイン排除に時間がかかったのは、万事がこんな調子で、国連での調整に時間を費やしたからです。国際連合安全保障理事会でも議論が続き、途中チリなどが修正案を提示しますが、今度は米英側が拒否しま...
フセインはこうして排除された(3)
- 2017/05/02
- 20:24
●査察に協力せずミサイル空爆を受ける結局のところ、この時期、国連とイラクの間では、「武装解除をしろ」「いやだ」「査察を受け入れろ」「いやだ」のやりとりが延々と繰り返されていただけです。そしてイラクは口先では査察を認めながらも、実際には協力をしないことが続きます。1998年10月。またしてもイラクはUNSCOMの査察を拒否します。そして国連決議で非難されると、渋々と一部の査察を受け入れ。しかし査察に完全協力しな...